Label: PNdB atelier - hoflicd13
このアルバムは、2015年が終わろうとしている冬のある日に録音を開始し、2016年の初夏を迎える頃にひととおりの完成をみた。すべての音は、アルバムを作ろうと思い立った後にそのために録音されたものである。
水を入れた巻貝の貝殻が鳴る音、石が転がる音、離島で録音した音。 このアルバムは、主にこれらの音の「響きと聴こえ」から構成されている。
「響きと聴こえ」というのは、もともとそれらがなんの音であったかということは問題ではない、ということだ。
それらが鼓膜をふるわせるまでの間に、天気、風向、風力、気圧、気温、湿度、などによって変調され、潮の匂い、旅先のカフェで排気ダクト越しに聴いたダブ、北の友人からの便り、曖昧な記憶の断片、草いきれと野分け、ある遠さと近さに関する考察、などの事象を呼吸し、木の葉を通して地面に投影され、しかしそれは心象風景や意匠ではなく、音それ自体のふるまいとして立ち現れたものである。
このアルバムに収録された音は、だから、物理的な音であると同時に天候や空気の匂いや幻影の漂着物でもあり、つまり、木漏れ日の消息なのだ。
(レーベル解説)
01 南へ!
02 ある測候所
03 星を結う人に
04 午後の魚
05 環礁
06 アズライト省察
07 夜の思想
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