Label: Faraway Press - FP20
'La Lumiere Parfumee' は前作'Echos Pastoraux'で提示された方向性を更に押し進めたもので、今回のアルバムではAndrewによる即興演奏が占める割合も大きくなりました。'Echos Pastoraux'よりもポスト・プロダクションの割合が減り、リアルタイムの楽器演奏によるアレンジメントの割合が増えたことにより、'Live'な感触が増し、AnimaやLimpe Fuchsの作品を思い浮かべる方も多いかと思います。「既定の音楽の枠組みに囚われずに、心のおもむくままに奏でた音なので、何をどのように演奏したか思い出すことができない。本当の意味で"Jazz"のフィーリングを持った作品に仕上がった。」とAndrewは語っています。
アルバムには全8曲が収録されていますが、複雑でありながら決して難解でない、どこか風通しの良い作品となっています。1920年代のシアター・ピースを思い起こさせる曲、ドロリとしたドラッギーな感覚を持つ曲など、収録曲のスタイルは変化に富んでいますが、根底にはゆったりとした時間感覚が一環して流れており、アルバム全体で一つの作品であると納得させる不思議な統一感があります。Timoの演奏が時として即興演奏のフォーミュラに納まってしまいそうになる中で、Andrewが自身のフィーリングだけを拠り所にした素直な演奏を行うことで、絶妙なバランスが取れたアルバムになったように思います。
マスタリングはいつものようにDenis Blackhamが行っており、ジャケット・スリーブと日本語帯はAndrew Chalkによるハンドメイドとなっています。ジャケットはgatefold sleeveで、Siren RecordsからのRobert HaighのCDジャケットでお馴染みの手法を更に進化させた,かなり手の込んだ作りです。
(Siren Records解説)