Label: NEUREC - NEUREC-FS+C
LAFMS文化をディープに伝え続ける伝道師"T・坂口"氏のレーベルNEURECより、頭士奈生樹氏の貴重音源が登場!!コチラはカセット付きエディション!!蕾とラクダのアートワークによる外箱が付属!!(CDとカセットは同内容となります)
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1960 年生まれの頭士奈生樹さん。彼は 1979 年に大学進学のため京都に移住しました。そして同地に在った「どらっぐすとう あ」を頻繁に訪れ始めます。やがて螺旋階段そして非常階段のメンバーとして公での音楽活動を始めました。それと前後し て 2 本のデモ・テープを作っています。1998 年、その 2 本目に収録されていた一つの曲を再び録音しようと頭士さんは思い 立ちました。1979 年にその曲はギターの弦を爪切りに付属しているヤスリで擦る方法で演奏されています。一方、1998 年の 演奏にはドライバーの柄を用いました。
頭士さんのセカンド・アルバム『現象化する発光素 - Phenomenal Luciferin』が発表された前後のことだと思います。
「眠る時に聴いて欲しい音楽だ」と頭士さんご自身が定義するその曲は、‘ForMyFriends’Sleep’ と命名されました。そのトラ ックには 2008 年までという長い期間を費やしてミックスが施され、完成に至ります。その過程では ‘For My Friends’ Another Sleep’ というトラックが新たに生まれました。このトラックは ‘For My Friends’ Sleep’ と同じ演奏を基としています。ただ、 そこに「バイノーラル・ビート」という音刺激が融合されました。バイノーラル・ビートとは脳に或る種の活動を惹起する音 刺激だと言います。本当にそんな効果があるのか、私は判りません。ともあれ、それは左右の耳それぞれに周波数の違う音 を聞かせることで神経系に特定周波数の活動を生み出すことを目指す刺激法のようであります。脳に8~13Hz のアルファ波 を惹起しようとする場合、それは瞑想を促す方法として使われて来ました。
さて、「ドライバーの柄で演奏したギターの音」って、どんなものだと思われるでしょう?「けたたましいノイズではないの かな?」と想われるかも知れません。しかし、私の耳にはゆるやかに変化するギターに併せて人の声、コーラスみたいなも のが聞こえて来ます。そして時空はゆっくりと歪んで行く。本当に不思議な音楽だと言うしかありません。
これら二つのトラック、‘For My Friends’ Sleep’ と ‘For My Friends’ Another Sleep’ は 2008 年に完成していました。しかしより 良いマスタリングを施すべきだと思いまして、制作がしばらく中断しています。それが昨年石崎信郎さんとの出遭いにより 解消されました。
石崎さんはかつてワーナー・パイオニア (現ワーナーミュージック・ジャパン) にサウンド・エンジニアとして勤められ、1980
年代には中森明菜さんなどの作品を担当されています。中森さんが Mike Oldfield の作品にインスパイアされ初めてセルフ・ プロデュースを行ったアルバム『不思議』においては、リミックスとマスタリングを担当されました。この作品は中森さん の声を器楽音の一部として処理した点において日本ポピュラー音楽に変革をもたらした先駆けだと言われています。石崎さ んのマスタリングを経て、豊かな立体感と音のうねりを獲得した頭士さんの音楽をお楽しみください。
なお、この音楽は当初 CD に収録されることを念頭に置いて制作を進めていました。ただちょっと思うことがあり、同内容の カセットが付いたこのエディションも用意しています。音と音のつながりが柔軟なものとなって、ディジタルとは違う音の 蠢きが生まれるカセットの音。そんな効果が存分に発揮されていると思います。私はカセット版を聴いていて CD では人の声 に聞こえていた音がギターに発するものだと判るような感触を覚えました。この面白い感触に興味をお持ちでしたら、是非 カセットを聴いてみてください。