Label: Sound 3
音の始源を求めてシリーズ第10弾!!
1.東京湾 近藤 譲(1987)
この曲は器楽曲を電子音楽にリアリゼージョンした作品
原曲は「ノン・プロジェクション」というピアノ2台とオーケストラの曲。
この頃は既にPCの時代に入っていて、PCの方が普通の意味で綺麗な音を作ることが出来たが、電子音楽はテープで聴くしかない音楽だから、何らかの音の力が欲しい。艶やかで磨かれた音はどうしてもつまらない、汚れていても力が感じられる音を作りたいと考えた。
2.マーマレード回路 吉松隆(1978)
子供(少女)の声…を使った「こどもによる」テープ音楽。シュトックハウゼンの「少年の歌」へのオマージュ。 電子音楽スタジオそのものを、変な音を作る「回路」に見立てた。
素材は女の子3人の声。曲の途中では、ぷるんを8チャンネル合成してケチャにしたりした。
3.風の歌 助川敏弥(1977)
作者の故郷の風土的な発想から荒涼とした原風景を表している。
奥行きのあるホワイトノイズと正弦波を使った作品、製作時、NHK電子音楽スタジオにはキーボードがなかったのでフェーダー一つ一つに音階の音を入れて、フェーダーを上げ下げして旋律を作った。
4.コスモス200 坪能克裕(1984 )
天体の星(パルサー)たちが発するパルスをそのまま活かした作品、銀河系でパルサーがどの位置から、どのくらいの周期でパルスを発するかというデータを音に置き替えてた。電子も自然の産物だから、耳を開くとそこに感情は生まれて来て、天体からのメッセージと交流することができる。
5.リヴァラン 近藤 譲(1975)
ピッチがはっきりしない鐘のような電子音で基音を作り。下方倍音を付け加える。
そして、一つの音程に対して長短、強弱4種類くらい音を作り、楽譜に従ってテープの切り貼りをする。指定されたテンポに合わせて四分音符は何センチとテープの長さを当てはめて編集。