Label: VLZ Produkt
ギターやピアノによるドローン的演奏、フルクサスの再演パフォーマンスに参加など、活動の範囲を広げている冷泉 淳によるフィールドレコーディング集の第2弾。
前作は都市部での散策による音の採取の色合いを感じさせるものであったが、今作はより舞台が広がり、音の選別への視点もより深くなっている。
深夜に静かに鳴り響くキネティックなサウンド、洞窟に響き渡るような瞑想的な金属質な物音、それらは音楽的ともいえる響きを携えながらも現地録音のトラックとして独立していて、なおかつ詩的な情緒さえも有している。
昨今溢れるフィールドレコーディング作品とは一線を画し、現地の音風景を提示しているのではなく、純粋に目の前にある物体/音の質感によって聴く者それぞれの持つ、かつての一場面へと誘う「気配」の作品集である。
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